私は基本的にMモードで撮影している。この場合、F値・SS・ISO感度などをすべて自分で設定することになるため、露出補正ダイヤルの調整ができない。
そこでモニターを確認しながら自分の理想とする明るさになるように調整していたのだが、最近になってこれではイカンとわかった。
というのも、当然のことながらモニターだって太陽光の下で確認したときと薄暗い室内で確認したときでは違いがある。撮った直後はこれで良いと思っても、家に帰って改めて見てみると明るすぎたり暗すぎたりするばかりだ。
「己の感覚を磨いていくしかないのだろうか……」
と思っていたのだが、露出インジゲーターというものを活用できることを知った。これを見れば、感覚に頼らずとも適正露出がわかるというのだ。画期的である。
そもそも適正露出とは?
最近読んでいる本を引用させてもらう。
過不足なく、被写体が表現意図に合った最良な状態に再現された露出のことを適正露出といいます。(中略)被写体の明るさに対し、露光量が過多な場合、画面は淡く、露光量が過小な場合、画面は暗くなります。
引用:大和田良 他 著『写真の教科書』88P
ものすごくテキトーに説明すると、ちょうど良い塩梅の明るさ、ということになる。もちろん表現によって、あえてちょっと明るくしてみたり、暗くしてみたりというのはある。
しかし私の場合は、「狙い」というものもないままに、なんとなくモニターの様子を頼りに撮っていただけなので、「適正露出だと思っていたが実際には適正ではなかった」ということが多く、非常にチグハグな状態だった。
露出インジゲーターの確認方法【Nikon Z fc】
Nikon Z fcの場合、撮影時のモニター画面の右下にあるのが露出インジゲーターである。スマホでモニター画面を撮った画像なので、わかりにくいかもしれないが、上記は適正露出だ。
これがプラスのほうに向かって目盛りが増えるほど適正露出より明るめ、マイナスのほうに向かって目盛りがあるほど適正露出より暗めと判断できる。
例えば上記の場合は目盛りがプラスに増えているので、適正露出より明るい。+2よりやや明るめの設定となっている。
続いてこちらは適正露出より暗めに設定している。マイナス2より少しだけ明るめといったところだ。
適正露出より明るく撮りたい、暗く撮りたいといった意図がなければ、できるだけこの目盛りがプラスやマイナスに増えることなく(つまりはできるだけ0の状態で)撮影することが望ましい。
白飛びと黒つぶれについて
明るすぎたり暗すぎたりした場合、「白飛び」や「黒つぶれ」といった現象が起こる。これらの現象についても、それが狙いであれば必ずしも悪とは言えないようなのだが、逆に言えば狙っていない白飛び、黒つぶれは悪ということのようである。
白飛びも黒つぶれも、両方とも明るすぎる・暗すぎることが原因で表現できるグラデーションを超えてしまい、真っ白または真っ黒になってしまうことらしい。
白飛び
白飛びとは、写真の一部が明るくなりすぎて色が白く飛んでしまうことを指す。私も外で撮影しているときはたびたび起こる。撮影後に確認すると悪くないように見えるのだが、家に帰って改めて見てみると、明らかに不自然な淡さがあってがっかりする。
黒つぶれ
白飛びとは反対に、写真の一部が暗くなりすぎて真っ黒になってしまうことを指す。私はどちらかというと暗い背景に主役だけが浮かび上がっているような写真を好むので、白飛びと比べるとあまり意識してこなかった。
まとめ
Mモードでの撮影にもある程度慣れてきたことだし、露出は(知識としては)マスターしたかな?
なんて思っていたが、まだまだ甘かった。甘すぎた。
今後は当てにならない感覚に頼ることなく、しっかりと露出インジゲーターを確認しながら、自分の好みの明るさを調整していきたいと思う。