カメラ歴1ヵ月半と自称しているが、実はかつて少しだけミラーレス一眼カメラをいじっていたことがある。そのときの相棒がOLYMPUS PEN Lite E-PL3(通称カメラの介)だった。5年ほど前、カメラ好きの親戚に譲ってもらったものである。
貰ったときからすでにキットレンズが壊れていた。ズームレンズなのに焦点距離を変えるとブラックアウトする。騙し騙し使っていたが、ついに完全な闇と化してしまった。それからずっと仕舞い込んだままだったのだ。
今年の誕生日に、夫がNikon Z fc(通称カメラ子)を買ってくれた。カメラの介のときはあまり写真にハマらなかったが、どういうわけか今回はややハマり。それに伴って、「カメラの介を復活させたい」という思いが強くなった。そこで楽天を放浪し、リーズナブルな短焦点レンズ「七工匠 7Artisans 25mm F1.8」を購入してみた。
七工匠 7Artisans 25mm F1.8を買った感想
本当はレンズの特徴などをレビューしたいのだけど、私にとっては初めての単焦点レンズで比較対象もなく、役に立ちそうなことは何も言えない。ので、あくまでも「感想」とさせていただく。
破格の9,900円
いきなり金の話で恐縮だが、七工匠 7Artisans 25mm F1.8を購入した決め手は価格の安さだった。というよりも初心者過ぎて、
- 手持ちのカメラに装着できる
- 所持金の範囲内で買える
という2点しか判断材料がなかった。
本来であれば2011年モデルであるOLYMPUS PEN Lite E-PL3のレンズを買うよりも、Nikon Z fcの交換レンズを買ったほうが効率的かもしれない。今後とも写真を趣味にしていくにあたり、間違いなくメインはNikonになるだろう。
それでも
「あの頃、お前も私も若かったよな。どうだい、まだ一緒にその辺をぶらぶらして、テキトーな写真でもパシャつこうじゃないかい?」
というカメラの介に対する思いだけでレンズ購入に至った。だからあんまり高い金は出せないのである。カメラの介を擬人化して考えると、わりとひどい話だ。
しかしこの七工匠 7Artisans 25mm F1.8というレンズ、安いが特に悪いところが見当たらない。カメラの介がコンパクトなこともあり、少しマズルが長い動物みたいな見た目になる、使いやすさや撮影した写真については文句なしだ。
マニュアルフォーカスだが調整は手に馴染む
こちらのレンズはオートフォーカスでは使えないので、マニュアルフォーカスでピント調整をする。最初は「マニュアルフォーカスなんて大丈夫かしら」と不安だったが杞憂だった。
というのも、素人意見かもしれないが、覚えること自体はマニュアルフォーカスのほうが少ないと感じる。オートフォーカスについて少しだけ勉強してみたが、モードが多くなかなか覚えられない。
一方でマニュアルフォーカスについては、レンズのフォーカスリングを回して、目で被写体を確認しながらピントを合わせる。もちろん「なかなかピントが合わぬ」という難しさはあるが、覚えることは少ない。
さて、七工匠 7Artisans 25mm F1.8には、2つのリングが付いている。
1つはF値を調整するリングだ。これによって最小1.8までF値を下げることができる(カメラではF値を設定できなくなる)。
もう1つがフォーカスリングなのだが、これが非常に回しやすい。F値調整リングがカメラ側にあり、フォーカスリングはレンズ側にあるので、回している最中に「カメラがブレてピントが合わねえ」となりにくい。
ちなみにNikon Z fcのキットズームレンズであるNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは、焦点距離を設定するリングがレンズ側、フォーカスリングがカメラ側にある。
個人的にはこれがあまり好みに合わず、ピント調整時に焦点距離をいじってしまったり、カメラがブレてなかなかピントが合わなかったりする。マニュアルフォーカスの好みは完全に七工匠に一票だ。
OLYMPUS PEN Lite E-PL3 × 七工匠 7Artisans 25mm F1.8【作例】
Nikon Z fcと比べると少し淡い色彩に感じる。
名も知らぬ枯れ花。しかしその横につぼみをつけているのがいいよね。暗い背景に花、という写真が個人的には好きなのだが、この写真は個人的には特にお気に入りである。
どういうわけか消火栓が逆向きになっていたので撮った。もっと広く撮りたかったが、単焦点レンズなのでこの位置ではこれが限界だった。私自身がフットワーク軽くもっと離れて撮影できないか模索するべきだった。
OLYMPUS PEN Lite E-PL3ではダイヤルから簡単にアートフィルターを設定することができる。アートフィルターはうまく使いこなすのが難しいのであまり手を出していなかったのだが、少しやってみた。
まとめ
実際にOLYMPUS PEN Lite E-PL3 × 七工匠 7Artisans 25mm F1.8を片手に散歩してみて、素敵なレンズであると感じた。このレンズに対してマイナスに思うことはひとつもない。
一方で、悲しいかなやはりカメラ本体(通称カメラの介)に関しては、「Nikon Z fc(通称カメラ子)のほうが良いな~……」と感じてしまう点が多々あった。
それは当たり前の話で、日々技術は進歩している。2021年生まれのカメラ子に対して、カメラの介は2011年生まれだ。ちょうど10年の月日が流れている。カメラ子の操作性は感動もので、ド素人の私でも撮影が楽しい。
しかしせっかく晴れて「ミラーレス一眼レフ2台持ちの女」になれたので、カメラの介の古き良き仕様も楽しみつつ、少し老いた父と遊ぶように撮影していきたいと思っている。